不思議な10年である。前半と後半で政治の風景はまるで別の国のように違う。
前半6年は混沌(こんとん)だった。ほぼ1年ごとに6人の首相がころころ代わった。自民党が安倍晋三、福田康夫、麻生太郎。民主党が鳩山由紀夫、菅直人、野田佳彦。ちょうど2大政党で3人ずつだった。
「立憲主義」は意外に奥が深い―。
「憲法は“国のかたち”を表現している」「“国のかたち”は、改憲しても変わらないことがあり、改憲しなくても変わってしまうことがある」―27回の正式な改正と、解釈による多くの実質的改憲を経てきたアメリカ合衆国憲法の歴史から、「立憲主義」の意外な側面が見えてくる。
「憲法改正」「解釈改憲」の是非をめぐる日本人の硬直した憲法観を解きほぐす快著。